日本銀行の「営業毎旬報告」から見えるもの

2018年12月21日

営業毎旬報告(平成30年12月10日現在)日本銀行            (単位千円)

■資産
金地金
441,253,409
現金1
265,291,398
国債
471,099,205,342
コマーシャル・ペーパー等2
2,467,234,256
社債3
3,228,191,598
金銭の信託(信託財産株式)4
921,731,057
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)5
22,944,538,327
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)6
496,015,944
貸付金
46,577,364,000
外国為替7
6,770,245,345
代理店勘定8
381,481,974
雑勘定
742,074,221
合計
556,334,626,877
■負債および純資産
発行銀行券
106,364,487,100
当座預金
376,702,628,406
その他預金9
23,580,451,429
政府預金
39,131,588,076
売現先勘定
54,631,250
雑勘定10
2,076,270,123
引当金勘定
5,201,797,693
資本金
100,000
準備金
3,222,672,796
合計
556,334,626,877
上は、営業毎旬報告(平成30年12月10日現在)つまり日銀の最近の営業報告書(バランスシート)です。

主な費目を抜き書きして日銀の実態がどうなっているのかを検証してみたいと思います。
現在の数値だけ見ても実態が掴めないので第2次安倍政権発足直前の2011年の数値と比較して見ました。その結果、隠された金融危機の姿が浮かび上がりました。

日銀の総資産:2011年は145兆円でしたが2018年12月は556兆円(3.8倍)に膨れ上がっています。これはアベノミクスの目玉であった超金融緩和の結果です。後で示す総資産が純資産8兆円(内引当金3兆円)に対して異常に膨らみすぎている事、しかも資産内容を見ると国債とETFなどの株式や債券で約90%を占めている事など、資産内容が非常に不安定なものとなっています。
株価の下落、国債や債券が売れなくなった場合、対処不能となるのです。超金融緩和を見境なく行った結果日銀の財務体質がぜい弱となり債務超過寸前の状況に陥ってしまったのです。当然これは深く国の財政にもひびいてくるわけです。

国債:2011年の92兆円に対し2018年は471兆円(5.1倍)に増加しております。アベノミクスの遂行のため日銀の独立性を放棄してまで国の政策と一体化して後先を考えず突進した結果です。「黒田バズーカ」とはこのことを表現した言葉でした。アベクロ金融政策の結果後世に大きなツケをまわすことになったのです。

株式・債券:2011年の8兆円が2018年は25兆(3.1倍)に増加しております。民間企業からの社債の購入などを含めれば30兆に及ぶと云われています。この費目の中には経産省からの圧力による中央銀行がやってはいけない不明瞭な取引、インサイダー取引、利権がらみなど訳の分からない内容が含まれている恐れがあるのです。

負債の部では当座預金があります:市中銀行からの預り金です。これが2018年12月現在376兆円あります。この中には市中銀行が納めるべき法定準備金が含まれておりますが、日銀にとっては文字通り負債です。問題は日銀券の発行以外に市中銀行から預かった当座預金を原資にして国債やETFなどを購入していると云っても過言ではありません。

資本の部では引当金等の純資産があります:先にも述べたように準備金は3兆円です。資本金等をふくめた純資産は8兆円です。日銀の総資産に対してこれが如何に過少かが分かります。国債価格や株価の下落があったら(現にこれは起こりつつあります)日銀は一夜にして債務超過に陥るのです。

悪い予測ばかり並べたててけしからんと言われるかもしれません。しかし2019年は次の世界経済予測を見ても世界恐慌が現実のものになると云う投資家や経済アナリストたちの発言が増えているのは見逃せない事実です。次のコラムも参考にしていただきたいと思います。(この投稿は12月15日、藤原直哉氏の講演会で得た予測に基づいて構成したものです。藤原直哉氏の慧眼に敬意を表するとともに感謝いたします。)

経済

Posted by 8kei