国際情勢の変化と日本の将来

2019年2月6日

■ 今年のダボス会議の「異変」

先進国首脳で参加したのは、安倍晋三首相とドイツのメルケル首相、イタリアのコンテ首相の3人のみとなったのです。

ブレグジット問題で混乱している英国議会の収拾で忙しいメイ首相も欠席、ロシア石油相も欠席、米中貿易戦争の渦中にあるトランプ大統領と習近平国家主席も欠席と、主役であるべき主要国が皆欠席したのです。

これを見ても、日本のおかれた外的要因が如何に急変しているかがわかります。

トランプ政権による通貨安誘導を阻止する「為替条項」、今年の春から厳格適用されるバーゼルIII、北朝鮮情勢の変化、減速する中国経済、北方領土問題の混迷そして、日銀による官製相場の崩壊等々懸念材料がいっぱいです。

日本は、金融という見えない追っ手によって袋小路に追いこまれつつあるのです。逃げ足の速い外国勢は日本の株式市場から資金を引き揚げ始めました。

つまり、さらに国債を発行しなければ日本が完全に終わってしまうのに、最終手段である財政ファイナンスの道さえ閉ざされようとしているのです。

ここまでは前回の投稿で説明したところですが、今回はバーゼルIIIについて掘り下げてみたいと思います。

■ バーゼルIIIとは

主に西側主要国の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が、銀行の健全性を維持するために導入した自己資本規制のことです。
バーゼルIIIは、1998年のバーゼル合意(いわゆるBIS規制)に端を発しています。
バーゼルIIIでは、銀行の事業によって蓄積してきた利益の内部留保(中核的自己資本)の比率を、実質7.0%以上とすることが求められており、2012年末から段階的に導入されてきましたが、いよいよ2019年から全面的に適用される運びとなったものです。
財務体質の弱い地方銀行以下が大手に吸収されるか破綻するかで整理統合され、さらに大手銀行といえども、リストラの大嵐が吹き荒れること必至です。

この状況で、移民を受け入れるという後世に大きな禍根を残す安倍政権の迷走は責められるべきです。「安倍首相は、日本を破綻させる命令をどこから受けているのか」と云う疑問が起こるのも当然のことです。日経新聞までがデフォルトの警告を発するのはこのような事情が背景にあるからです。

■ 富の偏在とアメリカの潮流変化

ニューヨークタイムズ紙は地球上で最も裕福な8人が最も貧しい38億人より多くの富を持っていると言います。

ギャラップ氏によると、18〜29歳の51%が社会主義を好意的に見ている。そして、資本主義を前向きに見ているのは45%にすぎない。アメリカの民主社会主義者のメンバーは、この2年間で7倍に急増しました。2018年の中間選挙で左派が下院を支配したとき、この潮流の変化が見られました。

超大国アメリカが分断されつつあるのです。穿った見方をすれば、トランプが海外の米軍を引き上げつつあるのは国境対策ばかりではなく、内乱対策と見る向きもあります。在韓米軍の引き上げも現実味を帯びてくるでしょう。

■ 日本の今後の予測

日本は今後どうなるのでしょうか?
ここで大胆予測をしてみようと思います。断っておきますが、当たる確率は60%程度だとご理解ください。

大手マスコミの世論調査はどれほど信用できるのかはかなり疑問を持つところですが、統計数字の偽装がバレまくり、アベノミクスの失敗が明らかになってきた現状においても、政権政党の支持率が50%というのは何たることでしょうか?

茹でガエル状態の日本国民は、自分の身にダメージが振りかかってこない限り立ち上がれないと思っておりました。従って今まで金融経済の破綻の警告を一生懸命してきたつもりです。しかしこれもかなりの勉強が要る事柄です。こんな勉強をする暇があるのだろうか?

働き方改革で長時間労働を余儀なくされ、たまの休みにはTVでスポーツ番組やお笑い番組、ゴシップ番組を見るのが精一杯な状況では政治・経済のことなど考える暇は一切ないでしょう。

こんなときに、野党大連合ができたと云う情報が、耳に入ったのです。新聞やTVでは、ほとんどこのことは伝えられておりません。

おそらくこれが本当であっても、いずれすぐ崩れるだろうとたかをくくっているのでしょう。

しかし私が注目したのは、野党党首会談(28日)の「合意事項」(全文)が厳然としてあることでした。

立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、日本共産党の志位和夫委員長、自由党の小沢一郎代表、社民党の又市征治党首、社会保障を立て直す国民会議の野田佳彦代表、通常国会開会の28日、党首会談を国会内で行いました。

 野党党首会談(28日)の「合意事項」(全文)は次の通りです。
野党党首会談合意事項  2019年1月28日

 立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会保障を立て直す国民会議、自由党、社会民主党は、党首会談において以下について合意した。

○ 本通常国会において、野党5党1会派は協力連携を強め、立憲主義の回復や、また国会の国権の最高機関としての機能を取り戻し、国民の生活を豊かにし権利を守るため、安倍政権打倒をめざし厳しく対峙(たいじ)していく。
○ 内政・外政の山積する課題について徹底審議を行う。
○「毎月勤労統計」問題についての全容解明を行う。

○ 今夏の参議院選挙に際し、安倍政権打倒をめざし、32の1人区全ての選挙区において、与党を利することのないよう、速やかに候補者一本化のための調整を図る。

 野党5党1会派の幹事長・書記局長は、これらの確認事項の目的を達成するために、早急に協議し、その具体化を進める。

特に注目すべきは、この合意には「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表が含まれていることです。これは画期的な出来事だと思いました。

リベラルの人の中では、野田さんを忌み嫌う傾向が強いことは分かっております。実際旧民主党時代に彼が果たした役割は自民党を利する利敵行為であったことは間違いありません。しかし1月28日の野党合意の直後の野田氏の国会発言をよくみてください。

31日の衆院本会議で代表質問に臨み、消費税増税に伴う安倍政権の軽減税率導入について「ポピュリズムの極致」と批判し、キャッシュレス決済時のポイント還元は「究極の愚策」と断じ、撤回を求めた。軽減税率は「過剰なバラマキ」で複数税率によって現場が混乱する上、逆進性を助長すると指摘。同時に「社会保障と財政健全化のためなら増税もやむを得ないと考えていた国民を裏切る行為だ」と非難した。(東京新聞2月1日)

私は、これは野党合意を精一杯守っている発言だなと理解しました。鄧小平が「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕るのがよい猫だ」と言ったのを思い出してもらいたいのです。
鄧小平が使った意味では、「社会主義(白い猫)でも資本主義(黒い猫)でも、経済を発展させる(鼠を取る)のが正しい政策(良い猫)だ」ということになります。
(ネズミを捕る)を(安倍政権を倒す)に置き換えれば、今回の野党大連合の意義がはっきりすると思います。
 

この思想は自由党の小沢一郎氏の考え方にも合致していると思うので、今から考えると自由党と国民民主党の会派合流も、野党大連合の伏線であったように感じられます。

この延長で予測すれば夏の参院選は自民党の大敗は避けられないでしょう。
自民の一回生10名は本人が予期せぬ当選のタナボタ議員で地盤も何もなく頼りになるのは地方議員しか居ない、地方議員もタナボタ議員に関わっている暇がない。
創価学会のの3分の一を占める婦人部の投票行動が変わってきている。
自民の支持母体の農水産関連団体が貿易条件の悪化でまともに被害を受けている。
自動車産業の輸出環境悪化から業績悪化が予想される。下請けのすそ野が広い分影響は大きい。先に述べたように中小銀行の人員整理が急増する。
等々数え切れないくらいのマイナス要因が与党に及ぶものと考えられます。

衆院選はダブルではないと予測されますが、参院選で与党が負ければ政権交代は目前に迫ってくるでしょう。

あわてて政権交代すれば民主党の失敗の轍を踏む恐れがあるので、後始末を自民のポスト安倍にやらせるほうが得策です。こんな事を計算に入れれば政権交代は五輪後の衆院選になるのではないかと言うのが私の予測です。

■ 結び

私は最近、量子力学に興味を持つようになり関連の本を読み始めております。専門的な部分は全く理解できておりませんが、意外なことに量子力学は案外、哲学や政治にも関係が深いことだけは分かってきました。量子力学出発点における、ニールス・ボーアとアルバート・アインシュタインの論争をを学ぶとまさにこのことがよく分かるのです。読後感は今後の投稿にゆずるとして、ここでは確率論だけを紹介しておきます。

世の中には確率がゼロではないと云う語りが可なり存在し、例えば「あなたに宝くじが当たる」とか「確率計算が基礎となっている保険制度が社会に安定的に存在する」などがなんの不思議もなく民衆に受け入れられています。歴史を振り返れば可能世界を操作する占い師や預言者などが横行した時代が長く続いてきました。民衆のこの2つの理解の仕方にどこの違いがあるのでしょうか?

確率を基礎とする語りかけと確定を語るやり方の違いがそこには厳然として存在するのです。ここには心理的ギャップばかりでなく、人々の倫理観、それを支えるワールドビューにも関わる分水嶺が存在します。

話は反れましたが、野党大連合の安倍政権を倒す確率が増してきたら、その支持率が過半数に至らなくても、その増加加速度だけで事態は急変するのです。だから現在マスコミの自民支持率50%は一向に気にする必要はありません。ましてや、呪術師ような連中の振る舞いより、宝くじや保険制度の方が支持される社会なのですから。

「国民はバカ」だとか「野党はだらしがない」、その上に「あいつは過去にこんな事を言ったから駄目だ」と云うような狭量な考えを捨てることの方が大切ではないでしょうか。

最後に、自民党の村上誠一郎議員の発言をご披露して締めくくりといたします。

「私は中道左派と自称していたのだが、今では自民党の中で極左になっている」
「安倍さんは海外に10兆円ものお土産を持っていった」(このお土産は中国の覇権に対抗するためのようだ)
「”敵を減らして味方を増やす”が外交の鉄則にもかかわらず、安倍首相にはこれと反対の行動が目立つ」

政治

Posted by 8kei