あまりにも違うスエーデンと日本の選挙事情

2019年2月21日

スエーデンの国政選挙投票率は87%と云う。日本の50%内外とくらべると余りにも大きな差があるので、何故だろうと疑問を持っておりました。

この疑問に答えてくれるような講演会が先日ありましたので、早速聴講しました。「変えよう選挙制度の会」田中久雄氏と「スエーデンの若者政策研究家」両角辰平氏が講師でした。両氏ともスエーデンに長期滞在された経験者なので詳細にその事情を説明していただけました。

今回の投稿は以上の講演会から学んだ情報の要点をご紹介し、私なりの疑問と見解を述べさせていただきたいと思い、このサイトにUPいたしました。

まず、スエーデン国民の政治意識の高さの要因をあげてみます

1.高い投票率
2002年:80.11%、2006年:81.99%、2014年:85.3%、2018年:87.1%
4年に一度の国・地方の同日選挙、行き届いた年少世代からの主権者教育、民主主義大使などの投票率アップの活動、比例代表制で選択政党が豊富(国政だけでも34の政党が参加)、高い投票率の要因には以上の事があげられる。

2.スエーデンの選挙制度
一院制で名簿式比例代表制、県単位の比例区、調整議席の制度、その他比例配分の歪の是正措置を細かく規定。

3.高い女性の政治参加
国会議員349名の中161名、約46%が女性議員
ほとんどの政党が比例代表制において候補者男女交互リストを採用、手厚い産休・育休・両親手当・兼業・兼職・休職・復職・代理議員などの制度が完備されている。

4. 若者が活躍する社会
30歳以下の若者の投票率は81%、若い政治家が多い(18~24歳:2.3%、25~29歳:8.3%)、若者が参加する場が多い:若者市民社会庁・若者協議会・学校教育庁・生徒組合・政党青年部など。学校民主主義の徹底(教育とユースワーク)。

以上を通じて言えることは政治が日常に浸透していること。日本のように政治的発言をタブー視するような雰囲気はない。市民の間で政治の話が自由に出来、対話の場がきめ細かく設けられている。更に政党の選挙活動は選挙のときだけでなく、日常的にその場を選ばず家庭訪問も含めて自由に行われている。

民主主義と福祉国家を支えているスエーデンの高い投票率を羨ましく思うばかりでなく、また有権者の数と年齢構成を理由に同じようにはいかないと片付けてしまうばかりでなく、我が国が何故立ち遅れているのかを解明しなければなりません。その上でどうしたら改善できるかを考える必要があります。

講演会から得た情報で、はっきり言えることは、政権の目指す方向が全く異なること、政治に対する国民の感覚と社会の雰囲気がぜんぜん違うこと、などがあります。これを云うと鶏が先か卵が先かのどうどうめぐりになってしまい解決策にたどり着くことができなくなります。

結論から申し上げれば、すべての災いは今の日本の政治を担う政権与党が後ろ向きである事が最大の原因だと言えるのですが、政権交代しなければ問題の解決には至らず、まず政権交代をいかにして実現するかを真剣に考える必要があるということです。

嘘と隠蔽、改竄と誤魔化しが横行し、権力強化にばかり奔走する政権には一日も早く退場してもらわなくてはならないのですが、野党の大連合から出発して最終的には民主的な連立政権にたどり着く必要があります。ヨーロッパでは比例代表制が選挙制度では主流でその結果として連立政権とならざるを得ないと云う事情があります。むしろ比例代表制と連立政権のほうが、政治意識の多様性をもたらし、政権内及び選挙民の政治意識を高める良い点があるのです。

講演会の講師たちも、日本の場合は、小選挙区制がネックでありこれによって民意が反映しにくくなり多様性が失われると警告しています。比例代表制に戻すべきで、当然連立政権が生まれます。連立政権は意思統一が困難だと言われますが、むしろ政策協議のなかで議論が生まれ多様性が生かされるメリットも生じるのです。これが民意に反映し選挙民の政治意識を高めることにつながります。

よく比例代表制や連立政権では物事が決められず、政治の停滞をもたらすと云う意見があります。しかしこれは単に議員や選挙民の熟議が足りないことを棚に上げ、一強政治を誘導する企みに過ぎないのです。対話と熟議、多様性の尊重こそ民主主義の根幹であるはずです。

グローバル化の中で資本主義が変貌し新自由主義のもとで貧富の格差が拡がり、アメリカでは8名の大富豪の富が下位半数の富に等しいと云うような歪が生じているのです。民主主義の破壊は経済ばかりでなく社会全般に拡がりつつあります。二大政党制なども、資本主義の変貌から生まれたエセ民主主義の象徴と云える政治制度です。

アメリカやヨーロッパではポピュリズムで右傾化した政治勢力が台頭していると言われております。スエーデンでもスエーデン国民党のようなポピュリズム政党が生まれています。しかし「高い民主主義の成熟した社会はこれを安易に受け入れることはない」と講師の方も断言されていました。

アメリカでは二大政党下の民主党においてはクリントン/オバマ政権で軍産勢力に迎合する向きも見られましたが、最近の下院選挙でサンダースが率いる「新社会主義」勢力が台頭し、アレクサンドリア・オカシオ – コルテス議員(女性20代)は格差解消とともに、脱原発・大気汚染対策などグリーンニューディール政策を提唱し若者たちの支持を集めております。「新社会主義」は格差の解消と共に、環境問題に取り組む姿勢を鮮明にうちだしていることに注目しなければなりません。

これだけ格差が拡がり、金融経済の危機も迫ってきている現状においては、欧米諸国に「新社会主義」の動きが台頭してくるのは当然の成り行きです。日本もこれに呼応した動きが出てくるでしょう。

基幹統計の56中23が不正だというニュースは世界に知れることとなり、ヘッジファンドの世界ですら日本批判が出てきているのです。
以下ヘッジファンドZero Hedgeのレポート
Japan Data Scandal:Tokyo Admits 40% of its Economic Data is “Fake News” と云う見出しがついています。概要は、国の政策の指標となるべき統計が官僚の手によって偽装されていたとなると、旧共産圏や第三世界の独裁国家と大差ない。日本の国際信用の失墜は免れず、国債の暴落は必定。—-と云う内容で大変手厳しい批判です。

最後に、我が国の政権交代の動きに焦点を当て、知り得た情報を下記いたします。

一党独裁の弊害は小選挙区制から生まれたものと言っても過言ではないでしょう。しかしながら選挙制度の改善は今の政権では不可能です。現状において政権交代を求めれば、今の小選挙区制下で如何にたたかい、如何に多数を取るかを真剣に考えなければなりません。

カギは当然のことながら「野党の連携をいかにして強固なものにするか」にあります。先の投稿でも述べましたが1月28日に野党5党と一会派の共同宣言がまとまったのです。これが基礎となり野党大連合ができるのではないかと予測しておりました。その後立憲民主党の枝野代表が主導して、野党5党と一会派に政策協定を実現する動きだと云うニュースが出てきました。これまではこの種の動きを封じるような逆宣伝が盛んに行われていたのです。いよいよ本気になったなと嬉しく思いました。

政党の動きだけではなく、市民運動として政治体制を根本的に変えること「格差の解消、民主主義と命・生活・経済を守ること、多様性と持続性の復活」などの基本的な課題に取り組まなくてななりません。2月~3月は米朝会談、ブレグジット、米中貿易交渉、金融経済危機の深い潜行など大きな変化のイベントが続きます。「一人一人が情報に敏感となり身を守る動きをする」ことこそが政治体制を変える力となるのです。

追記:今日のニュースで「国民民主・自由党の会派に猪木議員が参加する」、玉木・小沢・猪木の記者会見が放映されました。小沢さんが口説いた様です。鈴木哲夫氏はこれは序章で今後意外な有名人がこの動きに加わってくるだろうと発言されていました。一強体制を崩すにはこのようなドラマが必要なのかもしれません。願わくば、それが達成できたあとは正常な民主主義の回復の道を歩む事を期待します。

 

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Posted by 8kei