時事

オーストリア政府が4月1日~6日に赤十字と共同で行った、新型コロナ感染者のサンプリング調査の結果を10日に発表しました。0歳~99歳を対象に無作為に抽出した1544人全員にPCR検査を実施したもので、その結果0.3%が陽性であることが判明しました。

オーストリアの人口は890万人で、検査結果から分析し28500人が感染しているものと結論を得ました。これは公表されている感染者数12200人の2倍以上と云うことになります。

ハインツ・ファッスマン(Heinz FAßMANN)教育・科学・研究相は「免疫を持つ人と把握された数はまだまだ少なく、今後更に感染者は拡大する。またこのサンプリング手法は、感染者数を推定するうえで今後ヨーロッパのモデルとなるであろう」と述べております。

サンプリング調査は日本にとっても重要なことで、日本で同様の疫学的サンプリング調査を実施するとなれば人口比から言っても、少なくとも3万件のPCR検査が必要となります。既に感染源が不明の感染者数が60%~70%に及び、クラスター追跡が破綻している現状を見ると喫緊の課題です。

当面これが無理だと云うなら最大限譲歩しても感染集積主要都市だけでも疫学的サンプリング調査(PCR検査)を行うべきです。正確なデーターなしでの戦いに勝ち目はありません。

その上に感染者や死者数を少なく発表する今のデーターでは、海外のような深刻な危機感は生まれません。更に、個人の自粛に全面依存するような政策では、これからのパンデミックを避けることはできません。今までの遅れを挽回するためにも、出来ない理由を並べ立てる不作為はこれ以上許されません。

しかしながら検査の現場はすでに疲弊し、医療崩壊とともにもはや手遅れとなっているのかもしれません。今まで検査を制約してきた官僚や専門家の一部はすでに逃亡して責任が分からなくなってしまっているのです。

誰も失敗の責任をとらない日本の体質をジム・ロジャーズ氏は痛烈に批判しております。責任を曖昧にするから危機意識も薄れてしまいます。そうしたうえで個人の自粛にしわ寄せする不作為が問題なのです。以下の3項目はすべてこの事と無関係ではありません。

検査をして感染者の内、軽症者をホテル等の隔離施設に振り向け、中症者重症者を受け入れる専門病院のベットをあけること(トリアージ)が喫緊の課題で、それなくしては医療崩壊をはじめ社会の混乱は防げないでしょう。末尾の動画は少し刺激的かもしれませんが、無視するわけにはいかないと思います。


ジム・ロジャーズが日本の危機について語る

世界の大富豪ジム・ロジャーズの方が日本の現状について、我々日本国民より大きな危機感を持っていることに注目。

4/10(金) 8:00配信 AERA dot.  週刊朝日  2020年4月17日号(記者インタービュー)

(前半略)日本は、ただひたすら金を燃やし続けているようなものだ。このままでは、米ドルのみならず、いずれ韓国のウォンに対しても円の価値を下げることになるだろう。

 安倍首相と黒田総裁は日本を破滅に導いている。今すぐ辞任すべきである。だが、長期的には悪くても、短期的には株価が上がるので、一部の人々は喜んでいるのが事実だ。そこに日本人は気づかなければならない。

 難しいのは、国家にとって本当に必要なことをしようとする政治家は、選挙で当選できないということだ。今、日本に必要なのは、支出を抑えることだ。チェーンソーで木の枝を切り捨てるように、残酷なやり方で無駄なものを削っていかなければならない。

 そして、国境を開き、経済を開放し、外国の物資を入れなければならない。モノが安くなることは、日本にとって良いことだ。東京で50ドルするメロンでも、シンガポールでは3ドルで買える。国境を開けば、日本人は好きなだけメロンが食べられるようになる。

 日本は、出生率が世界で最も低い国の一つである。このまま少子化が進めば、21世紀の終わりを待たずして、人口が半分になるのは明らかだ。

 人口を維持するには、女性1人あたりで2.1人の子供を産まなければならないとされている。現実的にはそれは難しい。そうなると、足りない労働力を補うには、移民を受け入れるしかない。しかし、こういった政策で選挙に出る政治家がいても、人気は出ない。当選することも難しいのが現実だ。

 やらなければならないことはわかっているが、実行に移されることはない。それが日本の危機である。


謎の「日銀営業毎旬報告」

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2020/ac200331.htm/

最近判「3月31日現在・日銀毎旬報告」が遅れに遅れ4月7日に公表されました。これには不可解な点が幾つかあります。
論評抜きで問題点だけ列記します。

● やたらに注記が多いのにびっくりします。
● 資産の部で国債が3月10日より約9兆円減っております。これは今までにない不思議な現象です。反対勘定の負債の部で「売現先勘定」があります。なんとこれが24兆増えています。
● 資産の部で外国為替が約18兆増えております。注)9では外国中央銀行・国際決済銀行への預け金との説明があります。
● 新型コロナウイルス関係の勘定科目は資産項目の「貸付金」の内となっており約5兆円「企業金融支援特別オペレーションによる貸付金」を含むとなっております。

今回の新型コロナウイルス対策の財政資金は国債が減った反対勘定の「売現先取引」で賄われ、国債の減分の埋め合わせと新たな増発を含めて調達されるのでしょうか?明確な説明がありませんのでよくわかりません。4月10日以降の日銀毎旬報告が出てくると判明すると思います。

いずれにしても日銀はBSの急膨張(わずか20日間で588兆8千億円から31日には604兆4千億円へと15兆6千億円に膨張)でリスクが増す一方、全体として資金的余裕がないのでは?と考えざるを得ません。充分なコロナ対策が資金的にできなければパンデミックは第2波第3波と続くのではないでしょうか。ジム・ロジャースの警告も冗談ではなくなります。




WHOが「検査、検査、検査」と云う理由

児玉龍彦先生に新型コロナ、感染症対策の問題点をじっくりと。
大量検査を拒否する日本の対策の出発点がもはや世界では受け入れられない。クルーズ船で失敗した専門家会議は根本から体制を変えなければならない。今のままでは病院は崩壊する。東京はもはや感染の広がりを把握できない。これではだめだ。
不都合な真実を含めて、耳を傾けたい話(3月23日投稿動画の第2弾)です。
出演は児玉龍彦さん(東京大学先端科学研究センター名誉教授・代謝プロジェクトリーダー)
   金子勝さん(立教大学特任教授)
   高成田享さん(ジャーナリスト)
司会は山田厚史
収録は 2020年4月3日

時事

        日本のデーターが異常視される図表

今回は経済問題を主に取り組む予定でしたが、明日緊急事態宣言が出ると云うことで世間の関心が急変してきたので、経済と生活の問題は現時点ではコロナ危機と切り離しては考えられないとみて、両者の複合危機として取り組むべきと考えました。

3月30日の日銀営業毎旬報告を待っていたのですが、毎回通常は5日以内に発表されているものが今回に限って一週間たった本日になっても発表されない、今までになかった事態に違和感を感じております。

その裏に何があるのか分かりませんが、関西大学の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)の公表した「新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が発布された場合、経済損失は2年間で63兆円に上る」との試算に注目しました。宮本氏は「日本経済は甚大な打撃を受ける。一日も早い新薬の発明を期待したい」とも発言されています。経済学者といえども、今回の自然災害を考慮せざるを得ないほどの重大事態だと認識しております。

経済への打撃はリーマンショックの約1.5倍になると予想。リーマンショックは2年間でGDPの約7.6%が失われたとし、現在のGDP(約550兆円)に当てはめて計算したと、その根拠を明らかに示されております。

緊急事態宣言を明日に控えたネット上の動きは、今までにない渦が巻き起こっており、大は世界のコロナショックの実態報告から、小はマスクの作り方の動画まで一斉に今まで溜まっていた情報が一挙に表に出てきた感があります。この中には今まで黙っていたがこれ以上は黙ってはおられないとの不満や批判が噴出しています。WHOの方針を全く無視して、検査を抑制的に動いてきた当局や一部の専門家の不作為を批判するものが目立ちます。

前の投稿でもご紹介した中山伸弥教授の新しい発言「五つの緊急提言」の中でもPCR検査を急いで増やすべきとの指摘がありました。この提言についても「こんな当然の正しい発言を”批判を恐れず”と注釈付きで言わなくてはならない雰囲気こそが異常ではないか」と云う青木理さんのコメントも一理ありと思った次第です。

在日米国大使館は4月3日、ホームページ上で「日本で新形コロナウイルスの感染が著しく拡大している」と警告するとともに在日米国民の早期帰国を強く促しました。同時に「日本政府が幅広く検査を実施していないと判断しているため、実際にどの程度罹患しているか、有病率を正確に評価することが難しい」と指摘しております。

更に児玉龍彦東大名誉教授(東京大学先端科学技術研究センター)は新型コロナウイルスの遺伝子解析・配列決定でこのウイルスの正体を見極める基礎的研究の立場から、PCR検査の制限はサンプリング調査を妨げ、基礎研究を困難にしていると訴えております。

この動画はコロナ危機を救う基本的な条件を指摘した貴重な情報です。政治家や官僚が科学の上に立ちはだかっていては、パンデミックを収束させることはできないとの判断から、中山教授の提言と共に、是非耳を傾けていただきたいものです。

定例の投稿を一日繰り上げました。