政治

■ 今年のダボス会議の「異変」

先進国首脳で参加したのは、安倍晋三首相とドイツのメルケル首相、イタリアのコンテ首相の3人のみとなったのです。

ブレグジット問題で混乱している英国議会の収拾で忙しいメイ首相も欠席、ロシア石油相も欠席、米中貿易戦争の渦中にあるトランプ大統領と習近平国家主席も欠席と、主役であるべき主要国が皆欠席したのです。

これを見ても、日本のおかれた外的要因が如何に急変しているかがわかります。

トランプ政権による通貨安誘導を阻止する「為替条項」、今年の春から厳格適用されるバーゼルIII、北朝鮮情勢の変化、減速する中国経済、北方領土問題の混迷そして、日銀による官製相場の崩壊等々懸念材料がいっぱいです。

日本は、金融という見えない追っ手によって袋小路に追いこまれつつあるのです。逃げ足の速い外国勢は日本の株式市場から資金を引き揚げ始めました。

つまり、さらに国債を発行しなければ日本が完全に終わってしまうのに、最終手段である財政ファイナンスの道さえ閉ざされようとしているのです。

ここまでは前回の投稿で説明したところですが、今回はバーゼルIIIについて掘り下げてみたいと思います。

■ バーゼルIIIとは

主に西側主要国の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が、銀行の健全性を維持するために導入した自己資本規制のことです。
バーゼルIIIは、1998年のバーゼル合意(いわゆるBIS規制)に端を発しています。
バーゼルIIIでは、銀行の事業によって蓄積してきた利益の内部留保(中核的自己資本)の比率を、実質7.0%以上とすることが求められており、2012年末から段階的に導入されてきましたが、いよいよ2019年から全面的に適用される運びとなったものです。
財務体質の弱い地方銀行以下が大手に吸収されるか破綻するかで整理統合され、さらに大手銀行といえども、リストラの大嵐が吹き荒れること必至です。

この状況で、移民を受け入れるという後世に大きな禍根を残す安倍政権の迷走は責められるべきです。「安倍首相は、日本を破綻させる命令をどこから受けているのか」と云う疑問が起こるのも当然のことです。日経新聞までがデフォルトの警告を発するのはこのような事情が背景にあるからです。

■ 富の偏在とアメリカの潮流変化

ニューヨークタイムズ紙は地球上で最も裕福な8人が最も貧しい38億人より多くの富を持っていると言います。

ギャラップ氏によると、18〜29歳の51%が社会主義を好意的に見ている。そして、資本主義を前向きに見ているのは45%にすぎない。アメリカの民主社会主義者のメンバーは、この2年間で7倍に急増しました。2018年の中間選挙で左派が下院を支配したとき、この潮流の変化が見られました。

超大国アメリカが分断されつつあるのです。穿った見方をすれば、トランプが海外の米軍を引き上げつつあるのは国境対策ばかりではなく、内乱対策と見る向きもあります。在韓米軍の引き上げも現実味を帯びてくるでしょう。

■ 日本の今後の予測

日本は今後どうなるのでしょうか?
ここで大胆予測をしてみようと思います。断っておきますが、当たる確率は60%程度だとご理解ください。

大手マスコミの世論調査はどれほど信用できるのかはかなり疑問を持つところですが、統計数字の偽装がバレまくり、アベノミクスの失敗が明らかになってきた現状においても、政権政党の支持率が50%というのは何たることでしょうか?

茹でガエル状態の日本国民は、自分の身にダメージが振りかかってこない限り立ち上がれないと思っておりました。従って今まで金融経済の破綻の警告を一生懸命してきたつもりです。しかしこれもかなりの勉強が要る事柄です。こんな勉強をする暇があるのだろうか?

働き方改革で長時間労働を余儀なくされ、たまの休みにはTVでスポーツ番組やお笑い番組、ゴシップ番組を見るのが精一杯な状況では政治・経済のことなど考える暇は一切ないでしょう。

こんなときに、野党大連合ができたと云う情報が、耳に入ったのです。新聞やTVでは、ほとんどこのことは伝えられておりません。

おそらくこれが本当であっても、いずれすぐ崩れるだろうとたかをくくっているのでしょう。

しかし私が注目したのは、野党党首会談(28日)の「合意事項」(全文)が厳然としてあることでした。

立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、日本共産党の志位和夫委員長、自由党の小沢一郎代表、社民党の又市征治党首、社会保障を立て直す国民会議の野田佳彦代表、通常国会開会の28日、党首会談を国会内で行いました。

 野党党首会談(28日)の「合意事項」(全文)は次の通りです。
野党党首会談合意事項  2019年1月28日

 立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会保障を立て直す国民会議、自由党、社会民主党は、党首会談において以下について合意した。

○ 本通常国会において、野党5党1会派は協力連携を強め、立憲主義の回復や、また国会の国権の最高機関としての機能を取り戻し、国民の生活を豊かにし権利を守るため、安倍政権打倒をめざし厳しく対峙(たいじ)していく。
○ 内政・外政の山積する課題について徹底審議を行う。
○「毎月勤労統計」問題についての全容解明を行う。

○ 今夏の参議院選挙に際し、安倍政権打倒をめざし、32の1人区全ての選挙区において、与党を利することのないよう、速やかに候補者一本化のための調整を図る。

 野党5党1会派の幹事長・書記局長は、これらの確認事項の目的を達成するために、早急に協議し、その具体化を進める。

特に注目すべきは、この合意には「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表が含まれていることです。これは画期的な出来事だと思いました。

リベラルの人の中では、野田さんを忌み嫌う傾向が強いことは分かっております。実際旧民主党時代に彼が果たした役割は自民党を利する利敵行為であったことは間違いありません。しかし1月28日の野党合意の直後の野田氏の国会発言をよくみてください。

31日の衆院本会議で代表質問に臨み、消費税増税に伴う安倍政権の軽減税率導入について「ポピュリズムの極致」と批判し、キャッシュレス決済時のポイント還元は「究極の愚策」と断じ、撤回を求めた。軽減税率は「過剰なバラマキ」で複数税率によって現場が混乱する上、逆進性を助長すると指摘。同時に「社会保障と財政健全化のためなら増税もやむを得ないと考えていた国民を裏切る行為だ」と非難した。(東京新聞2月1日)

私は、これは野党合意を精一杯守っている発言だなと理解しました。鄧小平が「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕るのがよい猫だ」と言ったのを思い出してもらいたいのです。
鄧小平が使った意味では、「社会主義(白い猫)でも資本主義(黒い猫)でも、経済を発展させる(鼠を取る)のが正しい政策(良い猫)だ」ということになります。
(ネズミを捕る)を(安倍政権を倒す)に置き換えれば、今回の野党大連合の意義がはっきりすると思います。
 

この思想は自由党の小沢一郎氏の考え方にも合致していると思うので、今から考えると自由党と国民民主党の会派合流も、野党大連合の伏線であったように感じられます。

この延長で予測すれば夏の参院選は自民党の大敗は避けられないでしょう。
自民の一回生10名は本人が予期せぬ当選のタナボタ議員で地盤も何もなく頼りになるのは地方議員しか居ない、地方議員もタナボタ議員に関わっている暇がない。
創価学会のの3分の一を占める婦人部の投票行動が変わってきている。
自民の支持母体の農水産関連団体が貿易条件の悪化でまともに被害を受けている。
自動車産業の輸出環境悪化から業績悪化が予想される。下請けのすそ野が広い分影響は大きい。先に述べたように中小銀行の人員整理が急増する。
等々数え切れないくらいのマイナス要因が与党に及ぶものと考えられます。

衆院選はダブルではないと予測されますが、参院選で与党が負ければ政権交代は目前に迫ってくるでしょう。

あわてて政権交代すれば民主党の失敗の轍を踏む恐れがあるので、後始末を自民のポスト安倍にやらせるほうが得策です。こんな事を計算に入れれば政権交代は五輪後の衆院選になるのではないかと言うのが私の予測です。

■ 結び

私は最近、量子力学に興味を持つようになり関連の本を読み始めております。専門的な部分は全く理解できておりませんが、意外なことに量子力学は案外、哲学や政治にも関係が深いことだけは分かってきました。量子力学出発点における、ニールス・ボーアとアルバート・アインシュタインの論争をを学ぶとまさにこのことがよく分かるのです。読後感は今後の投稿にゆずるとして、ここでは確率論だけを紹介しておきます。

世の中には確率がゼロではないと云う語りが可なり存在し、例えば「あなたに宝くじが当たる」とか「確率計算が基礎となっている保険制度が社会に安定的に存在する」などがなんの不思議もなく民衆に受け入れられています。歴史を振り返れば可能世界を操作する占い師や預言者などが横行した時代が長く続いてきました。民衆のこの2つの理解の仕方にどこの違いがあるのでしょうか?

確率を基礎とする語りかけと確定を語るやり方の違いがそこには厳然として存在するのです。ここには心理的ギャップばかりでなく、人々の倫理観、それを支えるワールドビューにも関わる分水嶺が存在します。

話は反れましたが、野党大連合の安倍政権を倒す確率が増してきたら、その支持率が過半数に至らなくても、その増加加速度だけで事態は急変するのです。だから現在マスコミの自民支持率50%は一向に気にする必要はありません。ましてや、呪術師ような連中の振る舞いより、宝くじや保険制度の方が支持される社会なのですから。

「国民はバカ」だとか「野党はだらしがない」、その上に「あいつは過去にこんな事を言ったから駄目だ」と云うような狭量な考えを捨てることの方が大切ではないでしょうか。

最後に、自民党の村上誠一郎議員の発言をご披露して締めくくりといたします。

「私は中道左派と自称していたのだが、今では自民党の中で極左になっている」
「安倍さんは海外に10兆円ものお土産を持っていった」(このお土産は中国の覇権に対抗するためのようだ)
「”敵を減らして味方を増やす”が外交の鉄則にもかかわらず、安倍首相にはこれと反対の行動が目立つ」

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hinnkonn国の政策課題として、命、生活、経済の順序で責任が課せられていると云う見方があります。
言い換えれば、国は国民の命を軽視していないか、生活を守ってくれていないか、経済を健全に維持することに留意していないか、これらの評価が政権を評価する重要な目安となるのです。そして重要度の順番は、命、生活、経済となります。

現実の世界ではどうなっているのでしょう?
命、生活、経済が複雑に絡み合い、ほぼ同時進行で悪化しているのが現実です。グローバル化した金融資本主義が本来資本主義の根幹であった民主主義を置き去りにして暴走をし始めたのです。市場原理主義は結果的に、格差の拡大、人間性軽視の行動を生んでいます。

「今だけ、金だけ、自分だけ」でこのためには、なんでもあり。「弱者切り捨て」は仮面をかぶり表面を美化しながら容赦なく進められているのです。弱肉強食が資本の行動原則となってしまっています。トリクルダウンを信じて我慢し続けた弱者は裏切られ続けています。

このような実態を事実で証明する作業は大変重要です。以下の事実はほんの一部でしかありませんが、これだけでも充分な裏付けとなるのではないでしょうか。

■ 水道事業の民営化は命にかかわる重要問題だ

先の通常国会で、水道の民営化を促す水道法改定案を自民党、公明党、維新の会などの賛成多数により衆院厚生労働委員会で可決。それが今国会で継続審議され、成立が確実視されているのだという。

しかし、水は国民の「命」に直接関わる最も重要なインフラ。そんなものを民営化して大丈夫なのか。しかも、民営化になれば、料金が高騰することが確実視され、貧困層が大打撃を受けることになる。

実際、世界各国では水道民営化による問題が噴出し、悲劇としか呼べない事態も起き、いまは民営化をやめて公営に戻す流れが主流になっている。

世界では水道民営化の弊害が各国で現れている。南アフリカでは、民営化後にコストのすべてを水道料金に反映する「フル・コスト・リカバリー」という方式がとられたため、貧困層を中心に1000万人が水道を止められた。汚染された川から汲んだ水で生活せざるを得なくなる人が続出し、コレラが蔓延。死亡者が多く出た。

アメリカ・ミシガンでは水道水が高濃度の鉛で汚染され、非常事態宣言が出されているのだ。
この汚染の直接の要因は、フリントの財政破綻により五大湖の1つ、ヒューロン湖から水を調達することが不可能になったため、代わりにフリント川を水源にしたことにある。この川の水質が非常に悪いため、老朽化していた水道パイプの鉛が溶け出すという事態になった。このため鉛中毒患者が続出した。(華氏119参照)

浜松市はすでに昨年の段階で、下水道部門の運営権を再三にわたって名前の出ている仏ヴェオリア社を代表とする特別目的会社に約25億円で売却している。

「水道事業の人間生活への基礎的必要度は電力以上であり、このような事業を、四半期ごとに収益結果を求められるような企業に運営させるべきではないと感じる」(「エコノミスト」15年3月3日号/毎日新聞出版)

■ ドイツ銀行の経営危機とシアーズの破産

ドイツ銀行、ここのところ毎年のように経営危機説同行のデリバティブ取引の総額は常に変動していることから、リアルタイムの詳細がよくわからないのが大きな特徴となっている。レバレッジ(Fxなどで証拠金の何倍もの取引ができる)がかかっていますから、日本円にしてほぼ7,900兆円という巨額な取引量であり、ドイツのGDPのざっと19倍という巨額なものだ。

そのため、このデリバティブで大きな損害が出始めた場合には、「ドイツ一国の政府では到底救済できる規模ではない」とのかなり悲観的な指摘も出始めている。

去る10月15日、132年の歴史があり、米国のシンボリックな小売業だった「シアーズ」が破産した。支払い期限が来ていた1億3,400万ドル(1.5兆円)の決済の目途が立たなかったからだ。

■ 日本の相対的貧困率は15.7%(2015年)にも上る

日本の相対的貧困率は15.7%(2015年。相対的貧困とは、2015年現在では手取りの年間所得が一人暮らしの世帯で122万円以下、4人世帯で244万円以下の世帯を指す)。人数で言えば1900万人以上にも上るが、日本には本当の貧困なんてないと言う人もいる。そんな人にこそ伝えたい現実がある。一時的にせよ「飢えた」状態に置かれてしまい、万引きをしなければ食べ物にありつけない貧困家庭の子どもは少なくないのだ。(貧困への無理解に対抗するための本音対談)

●欧州はなぜ社会福祉が整備されているのか
●新築の家などの『強制出費』は罪が重い
●貧困家庭の冷蔵庫はものでいっぱい。ただし、賞味期限切れの食べ物ばかり
●地方の若者の刹那主義
●なぜ貧困を放置してはいけないのか
●貧困対策を徹底的に考える
●政治家も官僚も、世論を恐れている

(『貧困を救えない国 日本』阿部彩氏・鈴木大介共著より)

■ 日米FTA交渉の目玉「為替条項」の驚異

今週、ペンス副大統領が来日、安倍総理と会談、日本の中国接近問題とともに、通商問題についても取り上げられた。

菅義偉官房長官は13日の記者会見で、ペンス米副大統領が安倍晋三首相との会談後の共同記者発表で日米の新たな貿易交渉が「物品やサービスといった重要な分野が対象になる」と発言したことについて、「今後の日米間の交渉で目指すのは(物品分野などにとどまらない)包括的なFTAとは異なる」と説明した。

ペンス氏は、米側が最終的には包括的な自由貿易協定(FTA)の実現を狙う考えを鮮明にした格好だ。ただ日本側は物品に限定した「物品貿易協定(TAG)」の交渉だと説明してきており、菅氏は「日米間に認識の齟齬(そご)はない」とも語った。

また会談で、中国をめぐって首相とペンス氏の姿勢に違いがみられたとの指摘に対し、「わが国としては本日の安倍首相とペンス副大統領との会談を含め、米国と緊密に意思疎通をしつつ、中国の建設的な対応を促していく考えで、日米の間で温度差があるとは考えていない」と述べた。(11/13産経新聞)

これら通商交渉のなかで、米国のムニューシン財務長官は日本に「為替条項」を求めてきている。

日本は意図的に為替を円安誘導するようなことはしていないとしているが、直接為替介入をしていなくとも、金融政策で大規模な金融緩和を続けていることが、はたから見ると「円安誘導」ととられる。市場も日銀の緩和策と円安・株高をリンクさせてみているのが現状。

それだけに、為替条項をのまされると、市場がこれで円安化は困難と見て、円の買戻しを進め、結果的に円高となる。

■ いまだにアーミテージ・ナイレポートの亡霊

つい先日、第4次アーミテージ・ナイレポート(CSIS戦略国際問題研究所)が報告されたと、朝日新聞等々が報道していた。提言の内容は、安倍政権の外交安全保障姿勢と似通った傾向を持ち、もしかすると、安倍官邸が下書きをしたためて駐日米大使館に送付、返送されてきた書類のような内容だ。トランプを無視してこのような介入が許されるわけがない。ペンス副大統領のアジア政策発言と無関係ではない。

■ 入管難民法の罠

外国人労働者受け入れを拡大するために、新たな在留資格を設ける入管難民法などの改正案は11月13日、衆院本会議で審議入した。政府・与党が来年4月を目指し今国会での成立を急いでいるわけは、財界・企業の強烈な要請を受けているからだ。

長期的視野に立てば、人口減少は経済規模の縮小を招くことは明らかで、人口減少にも拘らず生産規模が拡大するのであれば過剰生産になる。つまりGDP拡大路線を続ければ人手不足になるということだ。

経済界は当然生産規模を縮小したくはないだろう。むしろもっと拡大してもっと儲けたいと言うのが企業の本性なのだ。他方生活者の立場からすれば、国が身の丈に合わない拡張主義を続けて賃金が上がらなければ、企業の儲けの犠牲になるのでマイナス効果しか残らない。

今回の外国人労働者の拡大策は、現状の外国人労働者の劣悪な労働条件から見ても、賃金の抑制策としか考えられない。野党は真に「国民の生活が第一」と考えるのであれば、根本的に経済成長一点張りの政策に反対し、成長神話をうち崩すべきだ。

経済のあり方も根本的に見直し、量より質を求めるべきではないか。つまり生活の質、企業の質、国家の質に拘り成長神話と闘わなければいけない。もちろん質の向上に伴い量的向上ができればそれに越したことはないが、現状では難しい。

国民の犠牲のもとで「世界に輝く日本」(経済的覇権と軍事国家化)の方向に引きずり込まれることだけは御免こうむりたい。