社会

首都直下地震が発生した時、首都圏ブラックアウトは起きるのか?内閣府の想定では、電力の供給能力は5割程度に低下し、広域で停電が発生するとされている。地震から生き延びた人たちは、大停電によってどのような危機に見舞われるのか?大停電に備えるためにはどうすればよいのか?シミュレーションドラマを交え、その時への備えを考える。(9月1日NHKスペシャル)

■ 平成30年北海道胆振東部地震による 大規模停電の経験が被害を低減するのに役立つので、あらためて北海道電力のホームページ「ほくでん」の記事をご紹介します。

当社(ほくでん)は、住友電気工業(株)と共同で、経済産業省が一般社団法人新エネルギー導入促進協議会を通じて募集した「平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業」に応募し、補助事業として採択されました。

本事業では、基幹系統の変電所に大型蓄電池(レドックスフロー電池)を設置し、再生可能エネルギーの出力変動に対する新たな調整力としての性能実証および最適な制御技術を確立することを目的として、2019年1月まで実証試験を行いました。

当社は、南早来変電所に大型蓄電池(レドックスフロー電池)用の建屋(2階建て)を建設し、1階には 電解液タンク、電力変換装置(PCS)、2階にはセルスタック、冷却を行うための熱交換器などを設置しました。
建屋の設置面積は約5,000m2で、小中学校の体育館の4倍程度に相当します。

定格出力:15,000kW
蓄電容量:60,000kWh

詳細は「ほくでん」ホームページ
https://www.hepco.co.jp/energy/recyclable_energy/large_accumulator/index.html

■ ドイツでは折角太陽光発電のコストを大巾に下げたものの、再生可能エネルギーの発電量の変動による不安定性を解決するに至らず、電気料金の低減に貢献できておりません。

以前、ドイツの電気料金は安いという記事を書いた記憶がありますが、これは将来の予測値であり現実には、2017年のデーターで一般家庭で1kWhあたり38円と世界でも高い方にランクされているのです。

太陽光発電のコストが最新の設備償却の条件下では、1kWhあたり6円になっているのは事実ですし、再エネ比率がピークで80%にもなっているにも拘らず、電気料金が高止まりしているのは何故でしょうか?訳を探ってみました。

ドイツの余剰電力の買取制度と賦課金の高騰(再エネ発電の不安定を補うため欧州の他国から電力を買い入れていることなどの負担が大きい)が原因のようです。

この辺りの事情は、みずほ銀行産業調査部のレポートに説明されています。ドイツのクラウドコミュニティーモデルの説明は参考になると思います。

配電線の負担は賦課金の中に含まれるのではっきりしたことは分かりませんが、言えることは賦課金を低減する手段は一にも二にも蓄電設備にあると言って間違いありません。

■ また別の情報では次のように説明されています。

「ドイツでは再生エネ普及に伴い電気料金が高騰し、2000年から倍以上になった。生産者から再生エネを買い取る費用をまかなうため、電気料金に上乗せする賦課金の急増が主要因。来年は賦課金が若干減るが、デンマークと並び欧州で最も高い電気料金の状況は変わらない。 一方で電気料金に含まれる送電費も徐々に増大。再生可能エネルギーに対応した送電網の整備のため、一段の上昇も懸念される。」

「年間3,500kWh を消費する3人家族の電力価格は1998年のレベルを68%上回ります。この理由の1つには、再エネ賦課金が実施期間中に10倍以上上昇し、電力価格に占める割合が1%から24%に増えたことがあります。再エネ賦課金は卸売価格とそれより高いグリーンエネルギー固定価格(法令により再エネ発電事業者に保証されている)との差額です。系統運営者はこの差額を需要家に転嫁します。大口の法人需要家とは対照的に、一般家庭はすべての賦課金と税金を支払わなければならなりません。」

一方、日本政府の経済諮問委員会の報告書では、エネルギー転換について「計画経済のような手段では費用がかさみ、非効率だと証明された」と指摘。いかなる形であれ、今後その対応が重要な課題となるようです。

■ 以上を統合すると「首都圏の大停電が想定できないほどの人的・経済的被害をもたらす」この問題に対処するためにも、再エネ賦課金の上昇原因を断つためにも、再エネ化の最大のネックである発電量の不安定性を補う役割を受け持つ配電網の効率化と大容量蓄電技術がますます求められています。

国際的にもレドックスフロー電池の需要は益々増えていくでしょう。再生可能エネルギーがベースロード電源の地位を獲得する時代は遠からずくるものと信じております。

(以前の投稿で「マイクログリッド」に関する記事がありますので参考にしてください)

経済

ニューズウィーク(2019年8月26日)
本誌9/25号(9/19発売)は「リーマンショック10年 危機がまた来る」特集。貿易戦争、新興国リスク、緩和バブル……グローバル経済を直撃した未曽有の危機は再び人類を襲うのか。迫り来る「次」の金融危機の足音。と云う特集を組み、その中で【年表】リーマンショック10年 経済崩壊から再生までに起きたことを詳細にリストアップしています。
<金融危機には「10年サイクル説」があり、そうであれば次なる危機はいつ訪れてもおかしくない。前回の金融危機以降、各国はどんな救済策を取ってきたか。危機発生からの10年を振り返る。>がサブタイトルです。

この年表は、世界の先進国の金融政策が一貫して延命策としての金融緩和を続けてきたことを如実に物語っております。
債券相場は大幅上昇。長期金利は約3年ぶり低水準を更新し、過去最低水準に接近しています。米中貿易摩擦の激化を背景に米長期金利が大幅低下したことも、後で述べる逆イールド発生の原因ではないでしょうか。

こんなニュースが伝わった先週、寺島実郎一氏(般財団法人日本総合研究所会長)から世界経済の実態を示すデーターの紹介がありました。
IMF発表の世界経済の成長率は今年1月が3.5%に対し4月が3.3%、最新値が3.2%、一方日本のGDP予測については、4月の1.0%を最新値0.9%に下方修正しました。
更に12日、BIS(国際決済銀行・スイスのバーゼルにある中央銀行中の中央銀行)発表の世界の債務総額は180兆ドル(1京9千兆円)で2007年比1.6倍、世界のGDPの4倍にも及ぶ急膨張をもたらしました。この天文学的世界債務膨張は、世界の中央銀行が揃って異次元の超金融緩和を行った結果です。株価は30%UPしたが、金融経済と実体経済の乖離が極端に進んだことがその背景にあります。

米国では8月14日に逆イールドが発生したことが報道されました。米10年債の金利が2年債の利回りを下回ったのです。過去50年来、逆イールドが起こると数年後に必ず景気後退が激化することが歴史上証明されているのです。リーマンショックも例外ではなく、金融破綻の1年前の2007年に逆イールドが発生しています。原因としては調達金利が運用金利を上回ると金融機関の経営が成り立たなくなるのです。銀行は資金を貸すことができなくなり、実体経済にダメージを与えるのです

1930年代の世界不況が第2次世界大戦への経済的土壌を作ったと云う見解はよく聞かれることです。その恐怖の過ちを二度と繰り返してはなりません。
貿易赤字国も黒字国も、等しく貿易収支を均衡化する責任を負っているわけですが、米中貿易戦争はこれに逆行する危険な動きと云わなければなりません。

IMFによる「バンコール」「SDR」などは対策として有効なのか今のところは不明です。「リーマンショックの火元は日本」と云う見解があります。歴史を辿れば震源地は日本だったと言えるのではないでしょうか。リーマンショックは2008年9月のことでした。リーマンショックに至る過程では、日本の金融政策は世界初の量的緩和未知の領域に踏み込んでいました。更に日本はアジア通貨危機のとき、世界初のゼロ金利政策を導入していました。その結果ヘッジファンドたちが円キャリートレードに向かったのです。日本の中央銀行は意図的、直接的にカネ余り状態をつくり出しました。これが世界にも溢れ出し、ジャパンマネーはアメリカに殺到しバブルを一層煽ったのでした。

27日のニュースでは、日経平均株価20181円(8ヶ月ぶりの安値)、ドル円為替相場105.2円を報じました。円高・株安が止まりません。前回同様若干の揺り戻しはあるもののトレンドは変わらないでしょう。いずれ為替は円安に急激に反転するかもしれませんが、官製相場が破綻すれば、次の円安は株高を伴わない円安です。
当面は100円の円高に向かって進むでしょう。そして、円高は日本の不況を増幅し金融危機を招くとの投資家スジの予測が多く聞かれます。これは日本の超金融緩和が自ら招いたブーメラン現象です。自作自演とも云えます。いずれ世界の金融危機の責任を取らなくてはならない羽目に陥るのは日本です。

最後に「逆イールドで相場は暴落—あなたの生活に直撃」と云うYoutubeを見つけたので紹介しておきます。わかりやすい解説です。

ピープルパワーTV:逆イールドから始まった経済危機。ドイツ銀行破綻は?中国経済は?リーマンショックを超える危機

https://youtu.be/2du-AmAH_Qw

「バンコール」「SDR」
については機会があれば後日説明をいたします。