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シンガポールでの日ロ首脳会談の内容について色々な憶測が飛んでいます。これは安倍首相が正確な会談内容を明示せず、自らの思惑ばかり語っているからに他ならない。

このため殆どの報道は「2島か4島か」「主権と帰属の関係性」などに話題が集中している。
現在のところ朝日新聞とTV朝日が最も掘り下げているように見える。11月15日のTV朝日羽鳥モーニングショーの小泉悠氏(未来工学研究所特別研究員)とテレビ朝日の玉川徹さんの発言が当を得ているようにみられる。

小泉氏:今回の会談では日本の方が歩み寄った。東方経済フォーラムでのプーチン発言は「今思いついた」のではなく、前もって日本側に話が有ったとみるのが妥当だ。

玉川氏:2島か4島かの問題以前に、この交渉自体が日ロの問題と云うより日米の問題だ。日米地協定がある限り安倍首相の一存で米軍基地を返還後の島に置かないと云えないだろう。北海道に米軍基地がないことは十分承知している。(安倍首相は)南は沖縄米軍基地、北は自衛隊基地と云うすみ分けで考えているのだろう。(トランプ大統領のサイン入りの合意文書が求められている)

田崎氏:佐藤優氏の云っているダブル選挙はあり得ない。そんな余裕はない。来年6月のプーチン来日までに大枠合意が「任期中の条約締結」へのぎりぎりのラインだろう。

ところが、ここにきてスプートニク日本が11月16日に大変興味深い報道をながしている。

モスクワで1956年10月19日、日本とソ連の戦争終結、外交及び領事関係回復に関する日ソ共同宣言に署名がなされた。

ソ連政府は、ソ日共同宣言第9項で、平和条約締結後にシコタン島とハボマイ群島を日本に引き渡すことで同意している。

ソ日共同宣言は、1956年12月8日に両国によって批准されたが、1960年に日米安全保障条約が締結されたのを受け、ソ連は島の引き渡しに関する義務を取り消した。

(以上を踏まえて次のプーチン大統領の発言を聞くと、日本人が理解している受け取り方と全く異なる意味であることがわかるはずだ。)

プーチン大統領は15日、シンガポール訪問を総括し、次のように語った-
日露首脳会談「極めて重要な進展あった」日本は妥協のシグナルを送ったのか?
「我々は、まさに1956年の宣言を基礎に私たちの日本のパートナーとの対話を再開した。これを我々に求めたのは私たちの日本のパートナーだ(中略) 我々は、本日までに形成されたことのすべては、第二次世界大戦後の作業結果でゆるぎないものとされた国際的な法的文書を基礎に形成されたと考えている。一方、ご存知のように、日本は問題を違う見方で捉えている。我々は、日本と作業する用意がある」。

(ここで「日本と作業する」と云うのはどう云うことか?。歴史的外交文書の確認作業ではないか、そこには「1960年に日米安全保障条約が締結されたのを受け、ソ連は島の引き渡しに関する義務を取り消した」が当然含まれる。ここに突き当たれば当然米軍基地の問題がクローズアップしてくるだろう。プーチン大統領は徹底的にこの問題で攻めてくるだろう。安倍首相はそれに耐えられるだろうか?中国も含めた国際問題に発展しかねない)
もしこのように推移すれば、隠蔽や嘘で取り繕う性質の問題ではなくなるだろう。

政治

hinnkonn国の政策課題として、命、生活、経済の順序で責任が課せられていると云う見方があります。
言い換えれば、国は国民の命を軽視していないか、生活を守ってくれていないか、経済を健全に維持することに留意していないか、これらの評価が政権を評価する重要な目安となるのです。そして重要度の順番は、命、生活、経済となります。

現実の世界ではどうなっているのでしょう?
命、生活、経済が複雑に絡み合い、ほぼ同時進行で悪化しているのが現実です。グローバル化した金融資本主義が本来資本主義の根幹であった民主主義を置き去りにして暴走をし始めたのです。市場原理主義は結果的に、格差の拡大、人間性軽視の行動を生んでいます。

「今だけ、金だけ、自分だけ」でこのためには、なんでもあり。「弱者切り捨て」は仮面をかぶり表面を美化しながら容赦なく進められているのです。弱肉強食が資本の行動原則となってしまっています。トリクルダウンを信じて我慢し続けた弱者は裏切られ続けています。

このような実態を事実で証明する作業は大変重要です。以下の事実はほんの一部でしかありませんが、これだけでも充分な裏付けとなるのではないでしょうか。

■ 水道事業の民営化は命にかかわる重要問題だ

先の通常国会で、水道の民営化を促す水道法改定案を自民党、公明党、維新の会などの賛成多数により衆院厚生労働委員会で可決。それが今国会で継続審議され、成立が確実視されているのだという。

しかし、水は国民の「命」に直接関わる最も重要なインフラ。そんなものを民営化して大丈夫なのか。しかも、民営化になれば、料金が高騰することが確実視され、貧困層が大打撃を受けることになる。

実際、世界各国では水道民営化による問題が噴出し、悲劇としか呼べない事態も起き、いまは民営化をやめて公営に戻す流れが主流になっている。

世界では水道民営化の弊害が各国で現れている。南アフリカでは、民営化後にコストのすべてを水道料金に反映する「フル・コスト・リカバリー」という方式がとられたため、貧困層を中心に1000万人が水道を止められた。汚染された川から汲んだ水で生活せざるを得なくなる人が続出し、コレラが蔓延。死亡者が多く出た。

アメリカ・ミシガンでは水道水が高濃度の鉛で汚染され、非常事態宣言が出されているのだ。
この汚染の直接の要因は、フリントの財政破綻により五大湖の1つ、ヒューロン湖から水を調達することが不可能になったため、代わりにフリント川を水源にしたことにある。この川の水質が非常に悪いため、老朽化していた水道パイプの鉛が溶け出すという事態になった。このため鉛中毒患者が続出した。(華氏119参照)

浜松市はすでに昨年の段階で、下水道部門の運営権を再三にわたって名前の出ている仏ヴェオリア社を代表とする特別目的会社に約25億円で売却している。

「水道事業の人間生活への基礎的必要度は電力以上であり、このような事業を、四半期ごとに収益結果を求められるような企業に運営させるべきではないと感じる」(「エコノミスト」15年3月3日号/毎日新聞出版)

■ ドイツ銀行の経営危機とシアーズの破産

ドイツ銀行、ここのところ毎年のように経営危機説同行のデリバティブ取引の総額は常に変動していることから、リアルタイムの詳細がよくわからないのが大きな特徴となっている。レバレッジ(Fxなどで証拠金の何倍もの取引ができる)がかかっていますから、日本円にしてほぼ7,900兆円という巨額な取引量であり、ドイツのGDPのざっと19倍という巨額なものだ。

そのため、このデリバティブで大きな損害が出始めた場合には、「ドイツ一国の政府では到底救済できる規模ではない」とのかなり悲観的な指摘も出始めている。

去る10月15日、132年の歴史があり、米国のシンボリックな小売業だった「シアーズ」が破産した。支払い期限が来ていた1億3,400万ドル(1.5兆円)の決済の目途が立たなかったからだ。

■ 日本の相対的貧困率は15.7%(2015年)にも上る

日本の相対的貧困率は15.7%(2015年。相対的貧困とは、2015年現在では手取りの年間所得が一人暮らしの世帯で122万円以下、4人世帯で244万円以下の世帯を指す)。人数で言えば1900万人以上にも上るが、日本には本当の貧困なんてないと言う人もいる。そんな人にこそ伝えたい現実がある。一時的にせよ「飢えた」状態に置かれてしまい、万引きをしなければ食べ物にありつけない貧困家庭の子どもは少なくないのだ。(貧困への無理解に対抗するための本音対談)

●欧州はなぜ社会福祉が整備されているのか
●新築の家などの『強制出費』は罪が重い
●貧困家庭の冷蔵庫はものでいっぱい。ただし、賞味期限切れの食べ物ばかり
●地方の若者の刹那主義
●なぜ貧困を放置してはいけないのか
●貧困対策を徹底的に考える
●政治家も官僚も、世論を恐れている

(『貧困を救えない国 日本』阿部彩氏・鈴木大介共著より)

■ 日米FTA交渉の目玉「為替条項」の驚異

今週、ペンス副大統領が来日、安倍総理と会談、日本の中国接近問題とともに、通商問題についても取り上げられた。

菅義偉官房長官は13日の記者会見で、ペンス米副大統領が安倍晋三首相との会談後の共同記者発表で日米の新たな貿易交渉が「物品やサービスといった重要な分野が対象になる」と発言したことについて、「今後の日米間の交渉で目指すのは(物品分野などにとどまらない)包括的なFTAとは異なる」と説明した。

ペンス氏は、米側が最終的には包括的な自由貿易協定(FTA)の実現を狙う考えを鮮明にした格好だ。ただ日本側は物品に限定した「物品貿易協定(TAG)」の交渉だと説明してきており、菅氏は「日米間に認識の齟齬(そご)はない」とも語った。

また会談で、中国をめぐって首相とペンス氏の姿勢に違いがみられたとの指摘に対し、「わが国としては本日の安倍首相とペンス副大統領との会談を含め、米国と緊密に意思疎通をしつつ、中国の建設的な対応を促していく考えで、日米の間で温度差があるとは考えていない」と述べた。(11/13産経新聞)

これら通商交渉のなかで、米国のムニューシン財務長官は日本に「為替条項」を求めてきている。

日本は意図的に為替を円安誘導するようなことはしていないとしているが、直接為替介入をしていなくとも、金融政策で大規模な金融緩和を続けていることが、はたから見ると「円安誘導」ととられる。市場も日銀の緩和策と円安・株高をリンクさせてみているのが現状。

それだけに、為替条項をのまされると、市場がこれで円安化は困難と見て、円の買戻しを進め、結果的に円高となる。

■ いまだにアーミテージ・ナイレポートの亡霊

つい先日、第4次アーミテージ・ナイレポート(CSIS戦略国際問題研究所)が報告されたと、朝日新聞等々が報道していた。提言の内容は、安倍政権の外交安全保障姿勢と似通った傾向を持ち、もしかすると、安倍官邸が下書きをしたためて駐日米大使館に送付、返送されてきた書類のような内容だ。トランプを無視してこのような介入が許されるわけがない。ペンス副大統領のアジア政策発言と無関係ではない。

■ 入管難民法の罠

外国人労働者受け入れを拡大するために、新たな在留資格を設ける入管難民法などの改正案は11月13日、衆院本会議で審議入した。政府・与党が来年4月を目指し今国会での成立を急いでいるわけは、財界・企業の強烈な要請を受けているからだ。

長期的視野に立てば、人口減少は経済規模の縮小を招くことは明らかで、人口減少にも拘らず生産規模が拡大するのであれば過剰生産になる。つまりGDP拡大路線を続ければ人手不足になるということだ。

経済界は当然生産規模を縮小したくはないだろう。むしろもっと拡大してもっと儲けたいと言うのが企業の本性なのだ。他方生活者の立場からすれば、国が身の丈に合わない拡張主義を続けて賃金が上がらなければ、企業の儲けの犠牲になるのでマイナス効果しか残らない。

今回の外国人労働者の拡大策は、現状の外国人労働者の劣悪な労働条件から見ても、賃金の抑制策としか考えられない。野党は真に「国民の生活が第一」と考えるのであれば、根本的に経済成長一点張りの政策に反対し、成長神話をうち崩すべきだ。

経済のあり方も根本的に見直し、量より質を求めるべきではないか。つまり生活の質、企業の質、国家の質に拘り成長神話と闘わなければいけない。もちろん質の向上に伴い量的向上ができればそれに越したことはないが、現状では難しい。

国民の犠牲のもとで「世界に輝く日本」(経済的覇権と軍事国家化)の方向に引きずり込まれることだけは御免こうむりたい。