時事

林典子

先週のNHKラジオ「サンデーエッセー」で、フォトジャーナリスト林典子さんの話がありました。
「北朝鮮・日本人妻」や「キリギスの略奪婚」などの女性問題をとりあげた有名なフォトジャーナリストです。

「プライベートプロジェクト」と「なりわい」との関係を語ったくだりに特別な興味を持ちました。
調べたところ一般的には「パーソナルプロジェクト」と呼ばれています。会社などの組織での仕事ではなく、自らがやりたい仕事を自分の意思で前向きに取り組むことです。

これを実行している人について次のような記述がありました。
彼は、自分の得意な音楽をYoutubeにアップしたり、プログラミングの知識をブログにアップして、広告収入を得ている。
また、別の友人はAmazonの輸入業をやったり、アクセサリーを手作りして売ったりしている。
その活動は会社仕事があった平日の夜や休日に行われている。
そして、同じように「プライベートプロジェクト」をしている人たちとその活動を共有して刺激し合っているのです。
彼曰く、こうした活動は仕事をするという何かこう”しんどいイメージ”ではなく、自らがしたいと思ったことを前向きに取り組むことなので、平日の深夜であろうと、休もう本当にうれしかったですね。
彼が言っていたように、実際プライベートプロジェクトをしている時は嫌だとか面倒くさいとか思ったことは一度もありません。
だって、自分のやりたいことをやってるんですからね。まさに寝る間を惜しんででもやってしまいます。
プライベートプロジェクトで人生を豊かにしよう!
そんな新たな「プライベートプロジェクト」という働き方で得られるもの。
「やりがい」
「仲間」
「お金」
など、たくさんのことを与えてくれるでしょう。
人生は1回きり!
せっかくなので、前向きに明るく生きたいですね!
このようなきっかけを与えてくれた彼に感謝です。
もし、今の仕事に少しでも疑問があるのなら、一度自分の興味のある「プライベートプロジェクト」を始めてみてはいかがでしょうか。
きっと得られるものがたくさんあると思いますよ。


忖度とは、三省堂国語辞典を引くとこうある。(相手の気持ちを)おしはかること。推測。「意向をーする」

「『忖』はりっしんべんで分かるとおり、人の心を推測すること。 『度』は、『たく』と読む場合は『はかる』ことです。つまり『忖』『度』ともに『はかる』で、特に『忖』は『心を推測する』という意味があります」。これが本来の意味ですが、ここ10年来使われ方が変わってきてしまいました。伝統的な意味から全く外れた使い方が流行してきたのです。

忖度で、良い忖度と悪い忖度があると云うことを聞いたことがあります。しかしこれには次の通り疑問を持ちます。

良い忖度は「思いやり」です。悪い忖度こそが「強制」であり、人事権や支配権をを伴った忖度は強制されたと同じことです。したがってその責任は支配者側にあるのです。これを「忖度」と云って片付けてしまうことは、責任逃れの口実としか言えません。

森友、加計問題などがその典型です。最近は相撲界や電力会社でもこのような事案が発生しております。


林典子さんの話しに戻りますが、彼女は「なりわい」のためクライアントから依頼されたテーマを追いかける日々ですが、同時並行でプライベートプロジェクトを追求しているのです。

仕事がらかもしれませんが、この2つの道が矛盾することはないどころか後者が前者の「生業=なりわい」を助ける結果となっていると語っていたのが印象的でした。

その上で自己を見失わないためプライベートプロジェクトを追求し自分がいつも生き生きとしていることが、「なりわい」のための仕事を多く受注する条件となっているのでしょう。


先週、内閣府発行の「経済財政白書」令和元年版を入手しました。大判で厚さ25ミリにも及ぶ大作です。
全部は読んではいませんが、これには意外な事実を発見したのです。当然この内容には政府の意向を忖度したと思われる部分もありますが、なんと役人の「プロフェッショナルな拘り」をもって政府に都合の悪いデーターをあえて載せている部分もあったのです。

その例をピックアップしますと、一つは長期経済統計に出ていた家計貯蓄率です。200年初期には10%以上あった家計貯蓄率が2014年以来-0.6%~2.5%に落ち込んでいるのです。これに関連して算定の基礎数値・給与総額伸び率も-1.0~1.7%に低下しています。

貿易額に関しても米中貿易摩擦の影響を受け経常収支が大幅に落ち込んでいること。 輸出額から輸入額を引いた貿易収支の赤字が10.6兆円に膨らんでいます。特に中間財でかろうじて支えている実態を明かしています。

金融政策においては2016年9月以来長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)に頼らざるを得ない状況(金融緩和の出口戦略のいき詰まり)。更に、ETFの保有残高が年間6兆円に相当するペースで増加するよう買い入れを行いつつ市場の状況を見て調整する苦労をにじませています。

このように政府にとって不利なデーターを開示する動機は何に支えられているのでしょうか?
以上はほんの一例に過ぎないが、膨大なデーターを毎年作る役人の「プロ意識」の為せる技ではないかと考えられます。
「悪い忖度」を打ち破る力は今の日本に多少なりとも残されているのではないでしょうか?
その原動力は「パーソナルプロジェクト」であり「プロフェッショナル意識」だと云うのが今回の結論です。

最後にフォトジャーナリスト林典子さんの「キルギスの略奪婚」のトークイベント、対話の形で動画に撮った記録をご紹介しておきます。

生活

地球温暖化対策、自然エネルギーの不安定性の除去、大規模停電(ブラックアウト)対策、エネルギーの地産地消(マイクログリッド)などの観点から大容量蓄電池について解説してきました。

その中で安全性、安定性、高寿命、コストの優位性などからレドックスフロー電池を紹介してきました。住友電工横浜事業所の見学、神奈川県黒岩知事とのエネルギーに関する対話など実際の行動に移して参りました。

今回は以上の知識を更に補うために水素エネルギーについて勉強した中で「水素エネルギーの役割」についてご紹介いたします。この情報源は主として水素エネルギー協会の「水素エネルギー事典」からであることをお断りしておきます。

先ず水素と電気の棲み分け(ここでは液化水素と大容量蓄電池の役割分担)について述べてみたいと思います。
水素エネルギーについて私が最も注目したのは「エネルギーキャリア」と云う概念です。残念ながら大規模蓄電池にはこの機能が欠けております。つまり「Power to Gas]」(電気から燃料ガスへエネルギー変換を行うこと)です。何故この機能が必要かと言いますと蓄電池ではクリーンエネルギーを大量に遠距離輸送することは困難です。

クリーンでないエネルギー・化石燃料はタンカーで遠距離輸送しております。しからば、クリーンエネルギーを輸送船で大量に輸送する方法はあるのでしょうか?
世界規模で世界各地の再生可能エネルギーを利用して電気分解により水から水素を製造し、製造した水素を輸送可能な液化水素に変換してエネルギー消費地に輸送し利用するWEーNET計画が進められております。
カナダの余剰水力発電電力を液化水素にして専用輸送船で運ぶ計画が実行に移されておおります。この計画は太陽光・風力の適地、アフリカや南米から自然エネルギーを大量輸送することにも向けられます。

話はとびますが、宇宙開発で水素が使われていることをご存知でしょうか?
有人宇宙活動において、酸素と水の確保は必須です。過去には酸素をタンクに詰めて地球から運んでおりましたが、今では水を電気分解すると酸素と水素が生成され、酸素が得られます。更に閉鎖空間では人の呼吸によって生じた二酸化炭素を処理するため、酸素生成時の副産物である水素でルテニューム等の触媒で水とメタンを生成して利用しているのです。これはサバチェ反応と呼びこの過程で炭酸ガスが除去されます。NASAでは酸素製造と炭酸ガス除去、水と熱を得る過程の循環を巧妙に実現しております。燃料電池の利用も別の循環をもたらしているのかもしれません。この辺りの専門的な作用機序については十分には理解しておりません。要は閉鎖空間における水・酸素・水素・電気分解の循環が将来、災害対策など生活に役立つ可能性を秘めていることだけは指摘できると思います。

国際エネルギー機関(IEA)は2015年8月にエネルギー利用についてのロードマップを発行しました。
この中で水素利用の可能性と限界が示されている。このロードマップのスコープは燃料電池自動車、家庭用燃料電池、再生エネルギーのためのエネルギー貯蔵、水素輸送、水素製造などです。水素は低炭素エネルギーの導入を促進し、電力と熱のネットワークに水素のネットワークが統合され、エネルギーシステムの柔軟性が向上することを示している。また、現在のシステムは化石燃料への依存度が高く、そのネットワークも限られているが、将来は水素が多様な原料から製造され、産業、民生、運輸の多用途に使われる可能性を示している。

最後にエネルギーキャリアに戻って水素利用の必要性を話題にしたいと思います。
例えば、アルゼンチンパタゴニアのような一年中強い西風が吹いている地域、オーストラリア、北米地域、アフリカなど自然エネルギーの有望産地がある反面日本のように高いエネルギー需要があってもエネルギー資源に恵まれていない国もあります。一般的にアジア諸国は水素需要が大きいと言われており地球規模での偏在が問題となっております。
世界規模の需給アンバランスを解決するのが液化水素の海上輸送です。安全性が重視される液化水素の海上輸送については、川崎重工業、岩谷産業、電源開発、シェルジャパンが液化水素輸送船、液化水素基地等を建設し、オーストラリアから日本への長距離輸送の実証事業を実施しております。2020年中には世界規模でのエネルギーキャリアが実現する見込みです。

マイクログリッド、EV基地、事業所単位や集合住宅の充電設備はレドックスフローなどの大・中規模蓄電池で対応し、大容量・長期のクリーンエネルギー備蓄、地球規模のクリーンエネルギーの輸送は液化水素などで対応すると云う役割分担が今後のエネルギー対策の中心課題となるでしょう。

次の機会には気象変動に対応して、水素によるCO2削減など環境問題を中心にご報告したいと考えております。