社会

沖縄の伊波洋一氏から次の文と写真が寄せられました。写真は、鮮明化を図るとともに複合化のエラーを解決する修正を行いました。以下にご紹介します。

高江の森の中で張り巡らされたカミソリ刃付鉄条網が住民生活の場まで張られた琉球セメントの安和桟橋付近。防衛省は、あくまで琉球セメントがやったと主張するが、防衛省の関与があったことは間違いないだろう。マスコミでも警察、海上保安庁、民間警備会社が協議と報じていた。

すさまじい悪意。こんな恐ろしいことを国がするのを見たことがない。ものすごく危険。独裁者は国民を殺すのなんか平気だし、独裁者の下では軍はいかようにも凶暴になるんだった。この鉄条網で野生動物も傷つくだろう。犬や猫も。フェンスの上でなく下なんだから。
防衛省は、あくまで琉球セメントがやったと主張するが、防衛省の関与があったことは間違いないだろすさまじい悪意。こんな恐ろしいことを国がするのを見たことがない。ものすごく危険。— 伊波 洋一 2018年12月3日

追記:2018/12/4 衆議院での質疑、伊波議員

私は12月1日この琉球セメントの泡桟橋などを視察してきましたが、昨日12月3日、桟橋に設置された施設されたベルトコンベアを使用して船に積み込む作業を行いました安倍政権と防衛省の県民の民意を踏みにじる暴挙に強く抗議いたします。

現地を見て大変驚いたことがあります。あの琉球セメントの桟橋施設周辺に、高江のヘリパッド工事でも使われたカミソリ歯突き鉄条網が、県道沿いの道に面するよう、設置されていました。

お手元の資料の最後から2ページの、この写真ですけど、あのカミソリ刃なんですが、このようものに剃刀がずっと巻きつけられている鉄条網でございますが、子供や幼児も歩くような歩道に面し、手を伸ばせばすぐ届くところに絡みつけ、鉄条網を設置するのは異常というほかありません。

設置者が誰なのか。琉球セメントか沖縄防衛局かどちらなのでしょうか。また誰の許可を取って設置されているのか、早急に撤去すべきと考えますが、いかがでしょうか。

12月11日現在、このような抗議が各方面から起こり、撤去されましたが一部はまだ残っているようです。そのうちに記録が消されるかもしれません。その前にここに「暴走の記録」として残しておきます。

社会

オープンダイヤローグとは?

身内の葬儀で帰郷した先月、甥がフィンランドより帰国していた。彼は所属する研究所から派遣され、オープンダイヤローグの研究で、フィンランドに長期滞在していたのだ。研究内容を聞くと次のようなことが分かってきた。

オープンダイヤローグとは統合失調症やうつ病、PTSD、家庭内暴力などの解決を目的として、医療関係者やクライアントの当事者・家族などが一同に会し頻繁にミーティングし、ダイアローグ(対話)することのようだ。フィンランドでは公的保険の対象となっており、西ラップランドでは2年間の追跡調査の結果、オープンダイヤローグに参加した82%が投薬せずに回復している。

その後、オープンダイヤローグに関する著作を探し詳細な情報を入手した。
今回は概要のみの報告となるが、参考にしていただきたい。フィンランドのセイラック教授が開発された方法で、教授は「オープンダイヤローグは技法や治療ではなく哲学や考え方である」と繰り返し述べている。

モノローグ的な対話:話し相手にお構いなく自分自身の考え方やアイデアを一方的に語るもの。従って別の発話を拒絶することになる。
ダイヤローグ的な対話:先立つ発話に答えるべく、新しい発話が構成され、これに続く答えを待ち受ける。こうして話者たちの間で新たな理解が形成される。

みんなでモノローグ的なモードに固執している限りは、新たなアイデアも生まれようがない。対話主義の立場は「身体を持つこと」であり、「意味」は「人との関わり」の中から生まれる。意味は”あいだ”にある。「意味」は個人の頭の中ではなく人々のやりとりの中のどこかで形成される。つまり「意味」は人と人のあいだの空間に現れるものだ。

この考え方は正に哲学的であり、私が探ってきた脳科学の学者の中にも、この考え方がみられた記憶もある。言葉は表象であり意味は多様で、場と時によって自在に変化している。意味を重視することは対話のズレを無くすための必須条件ではないか?

オープンダイヤローグの情報の詳細については改めて説明するつもりだが、今回はモノローグ的な対話が如何に世に氾濫し、今では社会の発展の大きな阻害要因になっているかを指摘することにする。

「言い換え」は安倍首相の常套手段、共謀罪、カジノ法、徴用工でも

これは安倍首相の常套手段で、いままで何度も繰り返されてきた手法だ。最近も「徴用工」を「朝鮮半島出身の労働者」などと言い換えて歴史を修正しようとしているが、安倍政権による「言い換え」問題は挙げ出せばキリがない。

最たるものが、集団的自衛権行使の容認を柱にし、戦争ができるように整備する法案を、よりにもよって「平和安全法制」と呼び、たんなる「対米追従」を本来は平和学の用語である「積極的平和主義」をもち出し、意味をねじ曲げて喧伝したことだろう。

さらに、「武器輸出三原則」は「防衛装備移転三原則」に、「共謀罪」は「テロ等準備罪」に、「カジノ法」は「統合型リゾート(IR)実施法」などと言い換え、自衛隊の南スーダンPKO問題では日報にも「戦闘」と書かれていたのに、日報の存在自体をなきものにした上で「衝突」と表現。また、2016年12月に沖縄県名護市沿岸にオスプレイが大破した「墜落」事故も、「不時着」と言い張ることで問題を矮小化した。逆に、加計学園問題で「総理のご意向」と書かれた文書が出てきた際は「怪文書」と言い放ち、怪しいものだという印象操作を図った。

こうした「言い換え」は、「全滅」を「玉砕」に置き換えた日本軍とまったく同じやり口であり、安倍政権はつねにそうやって国民を騙してきた。そして、公共放送のNHKをはじめ、メディアもその詭弁に乗り加担しつづけている。──「言葉の詐欺集団」である安倍政権にハンドルを握らせていることの危険性に、一体この国はいつになったら気付くのだろうか。

FTAをTAGと言い換えるゴマカシは安倍首相の指示だった

朝日新聞11月6日付けの記事によると、貿易協定の交渉開始で合意した9月26日の日米首脳会談の前日、安倍首相はライトハイザー米通商代表と閣僚級協議に入っていた茂木敏充経済再生相に対し、協定の呼称について、こう尋ねたという。

「3文字ではなんて呼ぶの? TPP(環太平洋経済連携協定)とかFFRとか、普通は3文字だよね」

つまり、新たな貿易協定として「FTA」とは違う「3文字」の略称を使えば、「FTAではない」と言い切れる。だから新たな3文字をつくろうと安倍首相は言い出したのだ。

そして、翌日午前、茂木経産相はさっそくライトハイザー米通商代表に「Trade Agreement on Goods」という協定名を提示。ライトハイザー米通商代表は交渉が包括的ではなく「Goods」に限定するかのような印象を与えかねないことから反対したが、茂木経産相はこれを「goods」と小文字にする妥協案を提案した上で、「その代わり日本ではTAGと呼びますからね」と宣言。ライトハイザー米通商代表も〈異を唱えなかった〉という。

何のことはない。「TAG」とはまさしく国民を欺くために安倍首相が編み出した「造語」でしかなく、アメリカ側が黙認しているだけで問題の協定の中身は「FTA」に代わりはないのだ。
事実、この記者発表を伝えた米・ロイターの記事も「Vice President Pence pushes Japan for bilateral free trade agreement」(ペンス副大統領が日本に二国間のFTAを要求)と見出しを立てている。

いや、それどころか、ペンス副大統領は東京に到着した12日、自身のTwitterに安倍首相と会談することを報告した際、議論する中身について安倍首相に宛てて〈negotiations for a free-trade agreement〉と記述。「FTA」だと宣言しているのである。
「FTA」だと副大統領が直々に述べているのに、「(会見では)FTAと言っていない!」とNHKに怒り狂う安倍官邸……。しかも、情けないのはNHKで、『ニュース7』と『ニュースウオッチ9』では、「TAG」ペンス副大統領の「サービスが障壁」「サービス分野を含む」という発言は一切取り上げなかったのだ。

「TAG」なる言葉は何の実態もない、国民を騙すための「言い換え語」であることがはっきりしたというのに、安倍官邸が「違う!」と喚き散らせば、それにNHKが従い、大本営発表を垂れ流す。もはや「FTAの言葉狩り」というべき状況だが、そもそも、実態は「FTA」でしかないこの貿易協定を、言葉でごまかそうとした張本人は、安倍首相なのである。

(以上 Litera2008年11月15日記事より)

ところで、「積極的平和主義」もこの言葉の創始者の本来の意味をいかに枉げているかも周知の事実だ。12月3日に衆議院議員会館で「嘘とごまかしの安倍政治、総検証」と云う集会が数名の弁護士の提案で行われた。

その中で、古賀茂明氏は「FTAをTAGにすり替えた問題」に関し、正文は英文のみであり日本政府はこの英文を意識的に隠したとし。在日米大使館が「物品、またサービスを含むその他の重要分野における日米貿易協定の交渉を始める」と英文通りの日本語を発表している。更に最近のペンス副大統領の発言ではFTAとの言葉をはっきり述べている。日本のマスコミは一様にこれを「食い違い」と表現している。WTOのルールにはTAGなどないのだが、安倍首相はいまだに「米国とFTAなど絶対にやらない」と云い続けている。このような古賀氏の指摘はもっともで当を得ている。

法政大学上西充子教授は教授が造語した「ごはん論法」が時を同じくして、新語流行語大賞のトップテンにランクアップされた事に言及した。上西教授は、安倍自民と官僚は都合の悪いことは絶対に言わない、このため「ごはん論法」が用いられる。これは「すれ違い」ではなく「すりかえ」だ。また、文書の中で「等」が多用される。ナドの中には毒が入っていると。さすが「ごはん論法」の創始者上西教授はするどい。

この集会で主題となった「嘘とごまかし」の弊害は新しいアイデアを封じるばかりでなくダイヤローグ(対話)を封じることで社会に害毒を与えている。暗く圧迫感が漂う社会は退化の一途をたどるだろう。